どうも、脇汗がすごいB型。坂爪です。ちなみに手汗もすごいです。
いやー、知りたい。
今の世界経済の状況がどうのとか、イラク情勢はとか、温暖化を止める具体的な対策は？とかじゃなくて、
なぜ僕は滑舌が悪いのかと言う事。
大抵、ご飯屋さんでの注文は、は？って聞き返され、一回でかしこまってくれた事はなく。
電話で自分の名前を言おうもんなら、
「はい、たかづめ いらい様ですね？」(いや、そんな方存じませんけど…)
「あ、違います、さかつめ ちらいです」
「申し訳ありません。さかづめ きらい様ですね！」
「……そうです。」
これが日常茶飯事。
惜しいんだよなー、あともうちょっとなんだよなー。方向性はあってんだけどなー。
僕だって、自分の名前ぐらい滑らかな滑舌で言えてるはず、生まれてから今まで何回言ってきたと思っているんだ。
そんな自負があります。
学校の授業で、発声や滑舌の練習なんかもやってましたし、
ちびまる子ちゃんのたまちゃんでお馴染みの渡辺菜生子さんの授業も受けてました。
三ツ矢雄二さんの授業だって受けたことありますし、なんなら日高のり子さんのサインだって持ってます。
そんなキレッキレッの滑舌を持ち合わせてるだろう僕も、海外にお仕事に行く事もあったんですよ。
遊びじゃないんですよー。北海道はパスポートいるんだよって言う友達の嘘に、まんまと引っかかるわけないんですよー。
国際線って何なんでしょうね、あのアウェー感？？
日本から飛び立つのに、あれ？なんか、外人さん多め？っていう。CAさんも外人さん多め？っていう。
ホーム戦だって聞いて来たんですけど、ん？スタジアム間違えちゃったかな？そんぐらいのアウェー感。
隣のお兄さんが辛うじて日本人。良かった、一緒に手をとって頑張りましょうね！
って思ったら、流暢な英語で、新聞頼んでやんの、
ブルータス、おまえもか…。
英語がからっきしダメで、入国審査で、「How long are you going to stay?(滞在期間はどのくらいですか)」
って聞かれてんのに、ドヤ顔で「サイトシーイング！」なんて言っちゃう奴なんで…。
ため息つかれて「タイザイキカンハー、ナンニチデスカー？」って言われちゃう奴なんで…。
てか、日本語喋れんなら、最初からいえっつーの。恥欠かせんなっつーの。余計な脇汗かかせんなっつーの。
入国審査って言ったら、サイトシーイングじゃないの？ツーと言えばカーじゃないの？
って絶対の自信を持って言ったのに、これだもん。前途多難です。
機内サービスの時間になるとね、CAさんが回ってくるんですけど、そこは、やっぱりアウェーの洗礼っていうの？
存分に浴びる覚悟出来てるし、なんならホーム感すら出して行こうっていう、ある種の開き直り？里帰りですけどなにか？
みたいな余裕感を漂わせようと思いましてね、今まで培ってきた全てを出して、言ってやりました。
「オゥーレンジジュース、プリーズ…」
「…OK!」
決まった…。渾身のオレンジジュースが、しかも聞き返される事なく。
久しぶりに手応えを感じた。感じずにはいられなかった。
隣のブルータス(お兄さん)も、すごいいい発音だったねー！なんて、僕のオレンジジュースに興奮気味だ。
内心バクバクだったが、表情を変えずに、さもいつも言ってますみたいな、笑顔を向ける事が出来た。
イングリッシュなんて、ちょれーちょれー。
なんてね、思ったんですけどね、したっけね。
目の前に置かれたのが、
水
水！？
……あー、これだよ、これ！待ってましたよ。いやー、また恥かくとこだった、あぶねーあぶねー。
これ、NASAさんなんかが開発した透明なオレンジジュースかなんかでしょ？
今そっちでは流行ってんでしょ？ブームなんでしょ？
うん。
うん…。なんか違わねー？
その今、後ろの乗客に注いでる、黄色い液体が、オレンジジュースって代物じゃなくて？
だって、これ良くみるとペットボトルだし、おもいっきし「water」って書いておりますけど？
ここまでくるとさ、なんか滑舌がうんぬんの問題とかじゃなくて、もう聞き手の問題だよね。
問題って言うほど大袈裟な事じゃなくて、やる気。うん、やる気だと思うの。
良く考えてみて、全然文字数違うから、全然惜しくもなんともないから。
少しやる気を出してくれたら、絶対聞き取れたと思うんですよ。
だからね、こちらもベストは尽くすので、そっちもそっちで歩み寄ってきて欲しいって事です。
ただ、そのフライト中は、もう水頼みっぱなしでしたよね、どんだけ水が好きなのつって？
こいつぅー、無類の水好きか！つって。
奇跡の人、ヘレンケラーかって。