いち、にの、さん はい  <竹石 玲奈>

こんばんは。

今日もさわやかな秋晴れの1日でしたね。
オリオン座流星群はご覧になりましたか?


はやいもので、「ジゼル/牧神の午後」からすでに一週間が経とうとしております。
足をお運びいただき、そしてたくさんの拍手を届けてくださったお客様に、心より感謝申し上げます。


3回目となった文京シビックホールでの公演も、全幕バレエを上演するのは初めてということで、これまでとはまた違った雰囲気だったように思います。


その舞台の余韻に浸りつつ、今日はリフトのお話を少し。


「ジゼル」2幕では、ウィリになったジゼルの体重を感じさせない高度なテクニックを必要とする特徴あるリフトが効果的に使われています。


「ジゼル」より


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これは、女性が頭から爪先まで身体をまっすぐに保ち、男性は女性の骨盤に当てた手で支えなくてはならないため、二人のポジションの正確さ、体幹の強さ、バランス感覚が求められる難易度の高いリフトです。 


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これはジャンプをサポートする形のリフト。
まるでひとりで浮いているかのようにみえます。


他にも1幕での村人10組による肩乗せ(ショルダーシット)も壮観です。

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文字通り女性が男性の肩の上に乗ります。
とは言え、実際にどーんと座っているわけではありません。
お近くの男性をご覧になってもわかるように、どんなに肩幅の広い男性であっても我々のお尻が丸々乗せられるほどのスペースがあるはずもなく......
片側のお尻だけを乗せてポーズを保ちます。


こうして見てみると、男性バレエダンサーはいったいどれほどの怪力の持ち主なのかと思われるかもしれません。
もちろん彼らは日々身体を鍛えています。
けれども、リフトは持ち上げる側だけが頑張っているわけではなく、上げる側と上げられる側の双方の力が合わさって初めて成功し美しいものになるのです。


ところで。 
バレエのリフトなんて見ているだけの他人事でしかない、と思いながらお読みでしょうか?

いえいえ。
もしかしたら、あなたにも、誰かを抱えたり誰かに抱え上げられたりする機会があるかもしれませんよ。


たとえば、女性の永遠の憧れ、お姫様抱っこ。


いつ訪れるかわからない素敵なその時にそなえ、私なりの経験と知識を振り絞って、ここでリフトのポイントをいくつか挙げてみましょう。


・お互いの呼吸とタイミングを合わせる
・軸を明確にし、キープする
・抱えられる方は、体重を全部預けず、引き上げつづける
・手をかける場所を工夫する

そしてなによりも大切なのは、
"相手を信頼すること"

そうすれば、男性は力強さを、女性は可憐さをアピールできるかと。

いざという時に、お役に立てましたら幸いです。

※なお、どんなに注意してもぎっくり腰などのリスクはあります。責任は負いかねますのであしからずm(__)m



役に立つもなにも...そんなこと...いやいやいや...ないないないと首を振っているそこのあなた。

これまで壁ドンも顎クイも髪クシャにも縁なく過ごしてきた私でさえ、
お姫様抱っこの経験は一度だけあるのです。

はい。
おそらくご想像の通り。

バレエ団のクラスの最中、足首を捻った時のこと。
足をつけなくなった私をサッと抱きかかえ、稽古場から階段を降りてロビーまで運んでくださったのは、なんと京當侑一籠さん。


その時は、申し訳ないやら情けないやらでロマンチックとは程遠いものとなりましたが、
今思えばプリンシパルのお姫様抱っこなんて、なかなかのシチュエーションですよね?



自慢話はこのくらいにしておいて。

次回公演は、年を越しまして2月6日、7日の「白鳥の湖」です。
この演目でも、オデット/オディールとジークフリート王子の心情を表した数々の華麗なリフトをご堪能いただけることと思います。
どうぞお楽しみに!


それではまた。